LEDデイランプ

Mercedes-Benz C-Klasse W203
Tagfahrlicht

2007.11.8
しまりす堂さんのLED Light Bar LBAW-A33を眺めていて、LEDデイランプの製作を思い立ちました。このLEDライトの定格は 2.31W Vf=10.5V If=220mA ということで、デイランプにピッタリのスペックです。
また、残像効果による見た目の明るさアップと視認性向上を狙って、高速点滅する電源ユニットを作成しました。

2008.3.27
LEDが左右とも突然暗くなってしましました。電流を測ったら1/10程しか流れていません。いろいろ調べた結果、LMC555の故障のようです。でもなぜ? とりあえず交換して様子を見ることにしました。

2008.4.28
実はLMC555の故障ではなく、ハンダ付け不良が原因でした… 基本は大事ですね。
ついでに、LMC555のRES入力がオープン状態ではよろしくないのでプルアップしました。回路図も差し替えてあります。

2008.11.1
装着して1年が経過しましたが、防水、振動、発熱に関する問題は起きていません。すこぶる快調です。

2009.5.20
点灯制御用にPICマイコンを導入しました。詳細はこちら。

2010.9.6
雷神を使ったLEDユニットに交換しました。詳細はこちら。


写真1
LEDユニットです。
長さ180mm、直径8mmのアクリルパイプの中にLEDバーが丸見えという、シンプル構造&スリム形状です。
離れて見ると1本の線のように光って見えるのも特徴です。

長時間点灯することや発熱の点からディレーティングしたほうがよさそうなので、1本当たりの電流を150mAに抑えました。消費電力は1.6Wです。

写真2
これが内蔵しているLEDライトバーLBAW-A33、発光色は純白です。
長さ163mm×幅3mmで3020のチップLEDが33個使われています。つまり、33連LEDデイランプというわけですね! 

写真3
チップLEDは3mm×2mmの大きさしかありません。
バーの基部はアルミ製で結構しっかりしています。LEDが整然と並んでいる様は美しく、これを生かしたいところです。
また、LEDの照射角は120°と広いので、わざわざ拡散させる必要がありません。

写真4
ということで、LEDライトバーをアクリルパイプに入れるだけにして素材の味を生かすことにしました。
パイプには外径8mm・内径4mmのものを使用しています。2mmの肉厚がありますので、見た目よりは丈夫です。
バーがほぼピッタリに入る内径ですが、きついようならバーのアルミの角の部分をサンドペーパーで軽く落とすといいでしょう。
両端のステーは、外径12mm・内径8mmのアクリルパイプを輪切りにしてプラバンに接着して作りました。つや消し黒に塗装してあります。
アクリルパイプははざい屋さんから購入しました。

写真5
ステーの形状は、配線の出る側(写真奥)がリング状、他端(同手前)はキャップ状です。
LEDバーの配線部分は、根元から熱収縮チューブで保護しておきます。
バーをアクリルパイプにいれたら、両端にエポキシパテを詰めて固定、防水します。キャップも防水を考えてしっかりと接着します。

写真6
電源ユニットです。いつものスイッチングレギュレータに今回はタイマICとリレーを追加しました。詳細は回路図にて。
2本のLEDバーを並列に接続したので定格440mAとなりますが、ちょっと抑えて400mAで設計しました。デューティ比0.75で点滅するので、平均電流は300mA(1本当たり150mA)となります。これで、75%の時間はほぼ定格にして明るく見せ、残り25%を消灯することで発熱と消費電力を抑えると、こういった寸法です。
また、ポジションランプ点灯でデイランプが消灯するよう、小型リレー(左上)を使用しています。その隣のジャンパは電流測定用につけたものです。
なお、右上の可変抵抗は試験用で、最終的には固定抵抗に変更しています。

写真7
電源ユニットとハーネスです。
内径5mmのコルゲートチューブを使っています。

写真8
電源ユニットはエンジンルーム内ヒューズリレーボックス内に入れました。
電源(回路図のAcc)は分岐ヒューズで取り出します。
現車では44番ソケット(奥の右から2つ目)が自動車電話用として空いており、15R電源(アクセサリ)が来ているので、ここを利用しました。
44番が空いていなければ、47番(奥の右から5つ目)がシガレットライタ用なので、そこから分岐するのがよいでしょう。

写真9
右ポジションランプが点灯したとき、デイランプが消灯するようにしました。
右ポジションランプの電源(回路図のPos)は赤灰のコードです。カバーに隠れて見た目がよくなるので、写真の位置でタップしました。

写真10
マイナス端子は他の多くの端子が利用しているボルトに接続します。

写真11
ホーンの配線に沿って引き込み、2つのホーンの間にコネクタを配置しました。ここでLEDユニットに接続します。

写真12
LEDユニットは両面テープで貼り付けます。とても軽いので、貼付面積が小さくても強度は十分なようです。

写真13
さて、点灯してみると、こんな感じです。写真では、どうもパッとしませんねぇ…
LED自体の照射角が広いため、どんな角度からでもムラなく光って見えます。指向性が強いデイランプとはちょっと違った印象です。

図1
回路図です。
スイッチングレギュレータLM3404にはDIM入力があり、PWMで照度調節をすることができます。今回はこのDIMを点滅用として利用しました。
LMC555で点滅用のパルス波を生成しますが、いろいろ試して周波数を60Hz、デューティ比を0.75にすることに決めました。パルス波はLM3404のDIMに入力します。
LMC555にはLM3404の7Vレギュレータから給電しました。OUT出力を7Vに抑えるためです(DIM入力は7Vmaxなので)。
ポジションランプ点灯でリレーが働き、LM3404への給電をストップします。リレーには12V1Aのものを使用しました。
LM3404はRSオンラインから購入できます。

図2
代替の回路図です(じつは最初に作成したものです)。
こちらはリニアレギュレータを使ったシンプルな回路です。
点滅機能が無くなり、電流は160mA(1本当たり80mA)となりますが、それでも十分に明るいです。

2009.5.20
点灯制御用にPICマイコンを導入しました。


写真14
デイランプの電源はアクセサリから取っているのでエンジン始動前に点灯します。その後エンジン始動でセルモータを回したときに一旦消灯してしまいます。
これがちょっと美しくないので、エンジンが稼働しているときだけ点灯するように改良します。ついでに、ジワーッと(4秒くらいかけて)点灯や消灯するようにしてみましょう。
残念なことに運転席からは見えないのですが…

写真15
エンジンが稼働中かどうかは、電源電圧を測定して判定します。エンジンが稼働すると1.5V程度電圧が高くなります。とはいえ、状況によってかなり変動するようなので、試しながら適切なしきい値を探っていかなければなりません。

写真16
LMC555でパルス波を生成していた部分をPICマイコンに置き換えます。これにより、プログラムでパルス波の周波数やデューティ比をダイナミックにを変えることができます。
PICには12F683を使いました。小型かつPWMモジュールを内蔵しているので用途にピッタリです。

図3
回路図です。
PICの各ピンの役割は次の通りです。
 GP1:電源電圧でエンジン稼働中かを判定
 GP2:パルス波出力
 GP3:ポジションランプのオン・オフを判定
電源電圧の変化は微妙なので、ツェナーダイオードで11.2V降下させてからコンパレータで比較しています。
ポジションランプのオン・オフ判定は、抵抗で分圧しただけで十分ですね。

2010.9.6
3年近く経ったLEDユニットはノートラブルでしたが、より明るくということで、雷神NSPWR70CS-K1を並べたものに交換してみました。


写真17
アクリルパイプを使う構造は前のものと同じです(スリムじゃなくなってしまいますけど)。

まずはユニバーサル基板を切断し、表面をつや消し黒スプレーで塗装します。

写真18
LEDは基板に密着させるので、足のストッパ(出っ張り)をニッパで切り落とします。

写真19
15個のLEDを3直列×5並列に接続しますが、写真のような並べ方をすれば…

写真20
…ご覧のようにハンダブリッジだけで済んでしまいます。

写真21
アクリルパイプ(外径12mm・内径10mm)をカットして中央に穴を開け、配線を通します。
基板がガタつかないように両端をエポキシ接着剤で固定します。

写真22
両端のキャップをアクリルパイプ(外径16mm・内径12mm)とプラ板で作成します。

最後に防水をしっかりとして組み立てれば完成です。簡単ですね。

写真23
向かって右が雷神バージョンです。
消費電力は両方同じですが、とても明るく見えます。発光効率が上がったと同時に、照射角が120°から80°に狭まったからでしょう。
その他灯火類は300cdまでという制限からすれば、これが限界に近いかもしれません。

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